人間は弱い存在なので、
自分の内側に大切な何かを感じても
意識を向け続けることはできない。
テレビを見たり、
スマホをいじったりして
気をそらしてしまう。
自分の深いところで、自分であることを放棄してしまう。

けれども、誰かがそばにいて
自分の話の深いところに意識を向けて話を聴いてくれるとき、
ひとは、自分の内側にとどまることができる。
自分の内側の、大切な何かに意識を向け続けることができる。

一人でいるときよりもはるかに強く、長く、自分の内側に意識を集中し、とどまり続けることができる。

傾聴の意味は、ここにある。

人が自分自身である上で、
人に話を聴いてもらうことほど力になることはほかにない。